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都会で生まれ、都会育ちの半田 清舟（杉野 遥亮）は、高名な書道家・半田 清明（遠藤 憲一）を父に持ち、新進気鋭の書道家としてもてはやされてきました。

しかし、ある賞の受賞祝いの席で、清舟は美術館の館長で書道界の重鎮・八神 龍之介（田中 泯）から「実につまらない字だ」と批判されたことに激高し、館長につかみかかります。

清明は、そんな清舟に長崎県・五島列島で生活して頭を冷やせと命じます。

五島福江空港に降り立った清舟は、バスもタクシーもいない…。
やっとの思いで目的地の七ツ岳郷に到着。

清舟（杉野 遥亮）が長崎・五島列島に移住してから１ヵ月が過ぎようとしていました。
そんな折、清舟のもとにマネージャーの川藤 鷹生（中尾 明慶）から電話が入ります。
ある書道展に応募した清舟の作品が、準賞だったという知らせでしたが、自信作だっただけに大賞がとれなかったことにショックを受ける清舟でした。
しかも、大賞に選ばれたのは18歳の新人・神崎 康介（荒木 飛羽）の作品だと知り、呆然となります。

そこに、郷長の木戸（飯尾 和樹）と高校生の息子・浩志（綱 啓永）がやってきます。
近く行われる町民体育祭で「団結力のためには新しいゼッケンが必要なんだ」と言い、清舟にゼッケンの文字を書いてもらいたと大量のゼッケンを押しつけて去って行きました。

そんな中、福江島を豪雨が襲います。
家の雨戸は吹っ飛び、携帯は水没し、風呂は壊れるなど、散々な目に遭う清舟は、更に落ち込んでしまいます。

半田 清舟（杉野 遥亮）が暮らす五島列島に、マネージャーの川藤 鷹生（中尾 明慶）がやって来ます。
川藤は、書道展で清舟を差し置いて大賞を受賞した若干18歳の書道家・神崎 康介（荒木 飛羽）と一緒でした。

同じ頃、清舟は墨汁を買うために新井商店に立ち寄ります。
清舟が去った後、新井商店に川藤と光輔が清舟の家の場所を訪ねにやって来ます。

通りかかり、事情を知った山本 美和（豊嶋 花）は、康介が清舟の悔しがる姿を見るためにわざわざやってきたものと思い、「二人を清舟に会わせるな」と、こっそり琴石 なる（宮崎 莉里沙）に伝えます。

ある日の朝、半田 清舟（杉野 遥亮）が目を覚ますと、両脇には何故か山村 美和（豊嶋 花）と新井 珠子（近藤 華）が添い寝していました。
そして足下には琴石 なる（宮崎 莉里沙）が…。

驚いて飛び起きた清舟は、カギをかけても家に中に入ってくることが出来る理由を尋ねると、悪びれた様子もなく、合鍵を取り出してみせる美和。
実は、美和は勝手に５本も合鍵を作っており、木戸 浩志（綱 啓永）含めてみんなで共有していたのです。
しかも、そのうちの１本はどこかで落としてなくしてしまったのだと言います。
あ然となる清舟。
美和と珠子は、そんな清舟を気にも止めずに、夏休みの宿題で習字をやらないといけないから教えて欲しい、と頼み込みます。

清舟は「オレが教えるからには、絶対入賞させてやる！」と宣言し、さっそく熱血指導を開始。
するとそこに、清舟のマネージャーの川藤 鷹生（中尾 明慶）から電話が入ります。
聞き耳を立てていた美和たちは、清舟が「そのときは帰るよ、東京に」と話しているのを聞いてしまいます。

そんな折、書展に向けた作品が書けず、スランプに陥った清舟は港で出会った美和の父・巌（宍戸 開）から趣味で買った中古船の船体に船名を描いて欲しいと頼まれます。
船の登録名は『唯我独尊丸』。
清舟は、筆ではなく刷毛、墨ではなくペンキ、紙ではなく船体と、いつもとはまったく違う条件の下、失敗は許されないというプレッシャーに襲われます。

半田 清舟（杉野 遥亮）が突然島から姿を消しました。
琴石 なる（宮崎 莉里沙）は、それを知って大きなショックを受け、道端に倒れ込んだまま動けなくなってしまいます。

同じ頃、東京に戻った清舟は、マネージメントを手がけてくれている『川藤美術芸術舎』で川藤 鷹生（中尾 明慶）と会っていました。
ここで清舟は、以前、自身の書を酷評されて、掴みかかってしまった相手である美術館館長の八神 龍之介（田中 泯）と会う約束になっていました。
八神にきちんと謝罪をして、島で書いた書を見てもらうためでした。
しかし、約束の時間が近づくにつれ、「酷評されたらどうする？」とどんどん自身がなくなっていく清舟。
ほどなく、八神がやって来て、そんな清舟の謝罪を受け入れると、さっそく新作の書を『星』を見ます。

一方、浩志や美和たちは、清舟との思い出話をしているうちにどんどん寂しくなってしまいます。
「たくさん遊んでもらったのに、ありがとうとも言ってないよ」というなるの言葉に、美和は、みんなで東京へ行こうと言いだします。

東京に戻った半田 清舟（杉野 遥亮）は、琴石 なる（宮崎 莉里沙）や木戸 浩志（綱 啓永）、山村 美和（豊嶋 花）、新井 珠子（近藤 華）ら、島で出会った人たちの名前がぎっしり書かれた書『石垣』を完成させました。

清舟が「なるたちとの約束通り、島に戻る」と言うと、母親のえみ（長野 里美）が「島に行くことは許さない」と反対します。
川藤 鷹生（中尾 明慶）や神崎 康介（荒木 飛羽）にも清舟の説得を頼むえみでした。
清明（遠藤 憲一）は、そんなえみをたしなめます。

同じ頃、美和と珠子が通う中学校では、夏休みの課題だった習字の結果が貼り出され、珠子が金賞で美和が銀賞でした。
清舟の家でみんながくつろぐ中「１位と２位じゃ雲泥の差」と美和は落ち込みます。
それはまるで康介に負けた時の清舟のようでした。

夕方、清舟たちは、改めてえみと話し合います。
清舟が島で入院したことを持ち出し、軟禁してでも阻止すると主張するえみ。
すると、黙って話を聞いていた清明が、自分も島で生活した経験があると明かします。

一方、なるたちは清舟を出迎えるため、彼がいない間、散らかし放題だった家を片付け始めます。
その時、糸巻き車が見つかりました。
それは美和が『手作りおもちゃの達人』と言われるヤスば（野村 ヤス：鷲尾 真知子）から作り方を教えてもらったものでした。

神社の前を通りかかった半田 清舟（杉野 遥亮）は、琴石 なる（宮崎 莉里沙）と久保田 陽菜（寺田 藍月）に出会います。
清舟が「宿題をやっていない」と言うなるを注意すると、「大きくなったら《やくそうけんきゅうか》になる」と言って、なるは石段に空いた穴に野草を詰め込みゴリゴリとつぶし始めます。

何とその穴は、ヤスば（野村ヤス：鷲尾 真知子）が子どもの頃からあり、同じようにままごと遊びに使われていたらしい。
清舟は、世代を越えて受け継がれていることに感慨を覚えます。

同じ頃、東京の半田家では、清明（遠藤 憲一）が川藤 鷹生（中尾 明慶）に休暇を申し出ていました。
しかし、超一流ホテルから清明に「館内に飾るために作品を書いて欲しい」という依頼を受けていた川藤は、「休んでいる暇はないのでは」と言って反対します。
すると清明は、「半端な作品を書くわけにはいかないのだから、そのための準備期間だと思ってほしい」と返します。

実は清明が休暇をとって行こうとしていたのは、清舟が暮らしている五島列島でした。
そこにやって来た妻のえみ（長野 里美）は、「自分も一緒に行く」と言い、清舟にお見合い話を切り出そうとします。

両親が島に来るとの連絡を受けた清舟は、なるや山村 美和（豊嶋 花）たちに、家の立ち入り禁止を命じます。
しかし、すぐにそんなことは無理だと気づいた清舟は、ひとつだけ言っておくと前置きし、「ウチの母さん、すごく面倒くさい人だから」と忠告します。

それから数日後、清明とえみ、川藤が五島列島にやって来ます。

半田 清舟（杉野 遥亮）は、山村 美和（豊嶋 花）や新井 珠子（近藤 華）に誘われて、サプライズで琴石 なる（宮崎 莉里沙）の誕生日パーティーを開く計画を立てます。
しかし、清舟はプレゼントを用意しておくようにと言われ、何を用意したらいいか困ってしまいます。

そんな折、高校卒業後の進路について悩んでいた木戸 浩志（綱 啓永）は、清舟に相談を持ちかけます。
料理人になろうと決意したものの、周りからの反対もあり、踏み出せないという浩志。
なぜ書道家になったのかと尋ねられた清舟は、一度だけケーキ屋になりたいと思ったことがあると打ち明けます。

偶然通りかかって清舟たちの会話を聞いていた美和と珠子は、清舟に一緒になるの誕生日ケーキを作ろうと言い出します。
そして迎えたなるの誕生日、清舟はなるの後をついてくる見知らぬ男性（岡田 義徳）がいるのを見つけてしまいます。

半田 清舟（杉野 遥亮）は、一流ホテルを父・清明（遠藤 憲一）の作品で彩る準備を手伝うため、東京に行くことになりました。
それを知った琴石 なる（宮崎 莉里沙）は、一緒に行くと騒ぎ出します。
清舟から東京行きを反対されたなるは、誕生日に清舟からもらった「なんでもいうこときくけん」で東京同行を説得します。

東京へ向かう日、清舟となるは、何故か空港で神崎 康介（荒木 飛羽）に出会います。
康介は、川藤 鷹生（中尾 明慶）からこき使われることに耐えられなくなり、逃げてきたのだと言います。
清舟は、そんな康介に仕方ないから家を使わせてやると言って自宅の鍵を手渡します。

到着早々、手伝いに駆り出された清舟は、川藤の事務所に新たに所属することになった書道家・佐久間 圭（佐々木 一平）を紹介されます。
個展を開くという佐久間の打ち合わせに参加した清舟は、書道家の作品を支えるプロの仕事を目の当たりにします。

清舟が疲れ果てて帰宅すると、なるが部屋の隅でどんよりしていました。
清舟が遊んでくれるのをずっと待っていたらしいのです。
そんな折、部屋にこもって作品作りに集中していた清明が、清舟を部屋に呼びました。
そこで清明は、東京に戻って来るよう、清舟に告げます。
清明の側で「仕事を手伝いながら、プロの書道家としての勉強を始めろ」と言うのです。

あくる日、清舟はなるを連れて動物園に遊びに行きます。
しかし、清舟は、清明の言葉が頭から離れません。

半田 清舟（杉野 遥亮）は書道家をやめると宣言し、琴石 なる（宮崎 莉里沙）と五島列島に帰る決意を固めます。

旅立ちの日、マネージャーの川藤 鷹生（中尾 明慶）は、「ウチとの契約を切るってどういうことだ？」と清舟に怒りをぶつけます。
清舟は、「村で書道教室を開き、なるたちの先生になって村に恩返しがしたい」と、自分の思いを伝えました。
しかし、川藤は納得せず、金にならないヤツとは付き合うだけ無駄だと言って去ってしまい、なるは、このまま清舟と川藤との関係が終わってしまうのではないかと落ち込みます。

五島に戻った清舟となるを出迎えたのは、仕事から逃げて清舟の家に滞在していた神崎 康介（荒木 飛羽）でした。
康介は、書道家をやめることを清舟に伝えますが、清舟から「オレもやめるぞ！」と言われて固まってしまいます。

そんな中、美和（豊嶋 花）は実家の酒店が経営難で巌（宍戸 開）が畳もうとしているようだと悩みを周囲に打ち明けます。
さらに、清舟は、浩志（綱 啓永）が長崎にある料亭の採用試験に落ちてしまったことを郷長（飯尾 和樹）から聞きます。

半田 清舟（杉野 遥亮）が、五島列島に来てもう一年、立ち上げた書道教室も少しずつ軌道に乗ってきていました。

そんなある日、琴石 なる（宮崎 莉里沙）が、父親の優一郎（岡田 義徳）から送られてきたスマートフォンを見つめることに気づいた山村 美和（豊嶋 花）と新井 珠子（近藤 華）は、自分たちがなるの親子関係に首を突っ込んでもいいのか、と清舟に相談します。

一方、書道教室での練習中、なるは清舟に「先生はもう、字を書かないのか？」と尋ねます。
すると清舟は、しばらく考えた後、「お前らの書く字が俺の書く字だと思っている」と返し、なるたちはさみしさを感じます。

そんな折、七ツ岳郷に売り出し中の若手アイドルゆな（椛島 光）と、カメラマンのアキオ（今井 悠貴）がやって来ます。
ゆなたちは『突撃！田舎生活！』という企画の取材でやってきていました。
田舎の温かさをテーマにした撮影で、泊めてくれる村人を探していた二人は偶然通りかかった清舟に家に泊めてほしいと頼み込みます。