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未谷 千晴（小芝 風花）は、新卒で入社した大手広告代理店をパワハラが原因で３年足らずで辞め、途方に暮れていました。

ある晩、中年の男が、来栖 嵐（成田  凌）を襲撃する現場に出くわし、心配する千晴に「人の心配より、ご自分の心配をしたらどうですか？未谷 千晴さん」と、なぜか初対面の千晴のことを知っている様子。

翌日、千晴は、叔母が社長を務める転職エージェント「シェパードキャリア」を訪ねます。
そこに現れた、叔母が姪っ子のためにつけた優秀なキャリアアドバイザーが、昨夜出会った来栖でした。

早速、面談することになった千晴。
来栖は、焦る千晴の気持ちを見抜き、言葉遣いこそ丁寧ですが、心をえぐるような辛辣な言葉を投げつけ、「社長の姪だからって、忖度してもらえると思いましたか？」と冷淡な口調で千晴を突き放します。
すっかり心が折れてしまった千晴…。

千晴（小芝 風花）は、転職活動を休み、叔母の洋子（石田 ゆり子）が社長を務める転職エージェントで、キャリアアドバイザーの見習いとして働くことになりました。

指導係の″魔王様”こと来栖（成田 涼）と臨んだ最初の面談相手は、大学を卒業して10年間、派遣社員として働いてきた宇佐美 優（早見 あかり）、どこか自信なさげで、転職の動機や希望の職種、年収についても主張が少ない。
案の定、来栖は由夏に厳しい口調で毒づき、異を唱えた千晴に、由夏の担当を任せると言い出します。

由夏は恋人の渋井 克行（味方 良介）と、近い将来、結婚すると踏んで転職の条件に強いこだわりを持っていなかったのです。
ところがフリーランスで働く克行は「非正規雇用の相手との結婚は考えられない」と別れを告げられた由夏は、克行をつなぎとめるために一刻も早く正社員になりたいと千晴に頼み込みます。

大手食品会社に勤める笹川 直哉（渡邊 圭祐）は入社４年目で、大学のサッカー部で培った体育会系のノリの良さを生かし、健康食品部門の営業として働いています。
上司の無茶な要求に応え、取引先との接待では若手として身を削ることも少なくありませんが、それでも、自らの仕事にやりがいを感じ、会社の利益につながる働きをしていると自負していました。
しかし、そんな自分の仕事ぶりを、会社が正当に評価してくれないことに不満を感じるようになった笹川は転職を考えます。

来栖（成田 凌）とともに笹川と面談した千晴（小芝 風花）は、営業の鏡ともいえるほどに明るく前向きな笹川に好印象を抱き、企業が欲しがる人材だと確信します。
しかし、来栖には１つ気になることがありました。

「その仮面、いつまでつけ続けるおつもりですか？」
来栖によると、笹川は上司にウケのいい人間を演じており、そのクセが染み付いているといいます。意外にも、笹川を「厄介かもしれない」と懸念する来栖の言葉に対し、千晴はその意味がわかりません。

しばらくして、笹川の再面談が行われます。
あらかじめ送った求人票に目を通した笹川は、千晴たちが提案した企業に対し、「転職サイトの口コミで、あまりいい評価がなかった」とこぼします。
すると来栖は、持ち前の鋭い視点と核心をついた言葉で、笹川にある疑問を投げかけます。

来栖（成田 凌）の元恋人・剣崎 莉子（岡崎 紗絵）が、突然「シェパードキャリア」にやって来ます。
どうやら転職の相談ではなく、別れた後、どうしているか気になっていた来栖を偶然SNSで見つけて、会いに来たらしいのですが、久しぶりの再会を懐かしむどころか、互いにトゲのある言葉を連発し、一触即発のムードに同席した千晴（小芝 風花）にも緊張が走ります。

ところが翌日、莉子から正式に面談の申し込みが入ります。
莉子が勤める会社は、オンラインの教育系コンテンツを制作・配信し、その分野ではパイオニアとして知られているが、この一年、業績が悪化していました。
一方、プライベートでは漫画家の恋人・綾野 周介（曽田 陵介）と同居中の莉子。
才能はあるが、なかなか芽の出ない周介が漫画に集中できるよう、自分が好条件の会社に転職して支えたいといいます。

しかし来栖は、その転職理由がどうもふに落ちません。
そのうえ、投げやりな言葉を口にし始めた莉子に、静かな怒りを覚えた来栖は、キャリアアドバイザーとして痛烈な一言を浴びせます。
すると、莉子は「昔とは別人みたい」と、来栖が席を立った後、千晴に事故に遭う前の来栖のことを話し始めます。

もうすぐ見習いキャリアアドバイザーとして試用期間が終わる千晴（小芝 風花）は、洋子（石田 ゆり子）から戸松 卓郎（葉山 奨之）という求職者を一人で担当するよう言われます。
戸松は28歳の若さにして、すでに３つの会社を退職。

来栖（成田 凌）のサポートがないことに不安を覚えながらも、千晴は早速面談に臨みますが、戸松はどこか投げやりで、度重なる転職が自身のキャリアにとってマイナスになることも自覚していました。

それでも、千晴は必死でフォローしますが、当の本人は「仕事に変な夢とか持ってない」と冷めた様子です。
困った千晴は、思い切って来栖に相談しますが、来栖は「手を貸すことはできない」と珍しく感情的な態度を見せ、千晴や広沢（山口 紗弥加）を驚かせます。

後日、戸松は千晴が紹介した会社の面接を受けますが、ネガティブな言動と自己肯定感の低さが目立ち、不採用になってしまいます。
千晴は、戸松が自ら成功や幸せから遠ざかろうとしているように感じ、理由を教えてほしいと頼みますが、その声は戸松の心に届きません。

するとそこへ偶然来栖が通りかかり、その姿を見た戸松が「どうして、あんたがここにいるんだ」と動揺します。
実は、２人は顔見知りで、何やらワケありだったのです。

来栖（成田 凌）の元で見習いとして働くうちに、キャリアアドバイザーの仕事にやりがいを感じ、働くことに意味を見出した千晴（小芝 風花）は、晴れて『シェパードキャリア』の社員になります。
するとその直後、これまで６回の転職を経験している転職王子こと八王子 道正（宮野 真守）から、面談の申し込みが入ります。
過去に彼を担当した広沢（山口 紗弥加）は何やら苦い経験があるようで、今回の担当を辞退。
そこで、来栖と千晴のコンビに白羽の矢が立ちます。

不動産会社でマンション販売を担当する39歳の八王子は、幾度となく売り上げトップで表彰され、自他ともに認めるトップセールスマン。
17年目となる不動産営業の仕事は天職ですが、一つの会社に留まることが性に合わず、現在の会社も勤務３年目にして飽きてしまったと言います。
「まるで戦場を渡り歩く傭兵ですね」
来栖は、この先も転職を繰り返すつもりでいる八王子に皮肉めいた一言を放ちますが、自分の実績と能力に絶対の自信を持つ八王子は、怒るどころか意に介する様子もなく、千晴はそんな八王子の強靭なメンタルにがく然とします。

その日の帰り道、千晴はひょんな事から、天間 聖司（白洲 迅）という謎の男と知り合います。
天間は、千晴が見習いから正社員になったばかりだと知ると「お祝いさせてほしい」と言い出し、千晴はなぜか初対面の天間にアイスクリームをご馳走してもらうことになりました。

数日後、早速、不動産販売会社の面接を受けた八王子は、自分よりキャリアが浅く、実績も乏しいライバルを横目に、自信満々で自己アピールします。
面接官の反応に手応えを感じた八王子は、採用を確信します。

家の事情でしばらく残業ができない広沢（山口 紗弥加）をフォローするため、来栖（成田 凌）とのコンビを一時的に解消し、広沢と組むことになった千晴（小芝 風花）。
２人は早速、８年間勤めた製薬会社を退職したばかりの皆川 晶穂（黒川 智花）を面談することになります。

転職にあたって晶穂が希望する条件は、同じ業界内で、十分な人員が確保された会社であること。
聞けば、以前勤めていた会社は人数が少なかったため個人の仕事の負担が大きく、激務が当たり前だったと言います。
面接を終えた千晴は、求職者に寄り添い丁寧にアドバイスする、栗栖とは180度違う広沢のやり方に感激します。
姉御と呼ぶにふさわしい先輩アドバイザーの手腕を絶賛しますが、後日、晶穂は突然、広沢を担当から外してほしいと申し出ます。

当然、心当たりのない広沢ショックを受け、千晴はそんな先輩のために自分ができることを模索します。
見かねた来栖から、「必ず何か原因があるはずだ」と言われ、面談中の様子を思い返した千晴は、広沢に子供がいると知ったとき、晶穂の態度が少しおかしかったことを思い出します。

子育て中の女性に何か特別な思いがあるのかもしれません。
翌日、来栖に付き添われ、千晴が晶穂の自宅を訪ねると、そこには同居中の恋人・藤田 優吾（入江 甚儀）の姿がありました。
千晴は、広沢の分も自分が全力でサポートすると宣言しますが、その言葉こそが、晶穂の心を乱すスイッチでした。

「あなたに、お会いしてみたいと思っていました」
天間（白洲 迅）が初対面の来栖（成田 凌）に意味深な言葉を投げかけてから、しばらく経ったある日、来栖と千晴（小芝 風花）は新規登録者でフリーライターの石岡 遥太（飯島 寛騎）の面談を行うため、カフェに呼び出されます。
ところが石岡は、手間を省くために別の大手転職エージェントの担当者も同じ席に呼んだと言い、まるで２社が対決するような状況に千晴が戸惑っていると、そこへ、同業者であることを千晴に隠していた天馬が現れます。

28歳の石岡は、大学卒業後からフリーライターとして活動しています。
有名メディアへの掲載実績もあることから自己評価が高く、正社員になるのは自らの市場価値をさらに高めるためだと豪語します。

しかし来栖は、ある理由から、実績に自信がある石岡を「正社員になりたいフリーターとして選考される」と未経験者扱いし、怒らせてしまいます。

一方の天間は、来栖の意見に一定の理解を示しつつも、石岡の考えを尊重し、プライドを傷つけない巧みな話術で希望条件を広げていきます。
来栖とは真逆な優しく親身にをモットーとした天間のやり方に心酔した千晴は、早速、広沢（山口 紗弥加）たちに天間の有能っぷりを熱弁します。
しかし、横山（前田 公輝）は天間の名前に何か引っかかる様子です。

数日後、再び集まった来栖と千晴、天間が、それぞれが石岡に合った企業を紹介すると、石岡は天間が提案した、とある知名度の高い会社に食いつき上機嫌です。
するとその申し出に、天間は驚くべきことを言い出します。

洋子（石田 ゆり子）は、とある人物から電話を受けると、突然、青ざめた表情でオフィスを飛び出して行きます。
向かった先は、洋子が唯一担当している求職者・五十嵐 君雄（金子 ノブアキ）の自宅でした。
部屋に閉じこもった息子が命を絶つかもしれないという両親からのSOSでしたが、洋子がドア越しに声をかけると幸いにも君雄は無事でした。
しかし、洋子に対しては「帰ってくれ」の一点張りです。

『シェパードキャリアで』では、ただならぬ様子を心配した来栖（成田 凌）と千晴（小芝 風花）が、洋子の帰りを待っていました。
以前から、転職活動をした記録がない五十嵐 君雄の存在が気になっていたという来栖に、戻ってきた洋子は君雄と恋人だった過去を打ち明けます。

13年前、旅行代理店に勤めていた洋子は、小学校教諭だった君雄と知り合い、恋人関係になります。
二人は結婚も考えていましたが、ある日突然、辞職した君雄は、その理由は明かさないまま、洋子に別れを告げて以来10年もの間、自室に引きこもっているというのです。
洋子は、恋人の異変に気付けなかった自分を責め、いつか君雄の社会復帰の足がかりになればと、『シェパードキャリア』を立ち上げたのです。

話を聞いた千晴は、洋子が人知れず背負っていた過去に衝撃を受け、自分に何かできることはないかと考え始めます。
そして、その思いは来栖も同じだったようです。

『シェパードキャリア』の大阪支社設立が決まり、洋子（石田 ゆり子）は、その立ち上げを来栖（成田 凌）に任せると宣言します。
早速、来栖は下見のため出張することになり、千晴（小芝 風花）はこれを機に独り立ちすることになりました。

来栖の不在に不安を感じていたものの、「お守りから解放されて、晴れ晴れ、爽快です」という嫌味で、やる気に火がついた千晴。
来栖を見返したい一心で、天間（白洲 迅）のサポートのもと面談に臨んだのは、大手レストランチェーンに勤務するシステムエンジニアの矢吹 健一（高橋 光臣）です。

健一は、妻と２人の娘との将来を考え、給料を今の２倍にしたいと言います。
難しい条件に驚きつつも、家族思いの健一の言葉にすっかりほだされた千晴は、魔王さながらのむちゃぶりで横山（前田 公輝）を巻き込み、あるスキルに長けている健一に、異業種への挑戦を提案します。

千晴に背中を押された健一は、早速面接を受けたいと意気込みますが、実は、転職の話は妻の江美里（大西 礼芳）に内緒だったのです。
転職先が正式に決まってから伝えて喜ばせたいと言いますが、後にそれが家族間に大きなひずみを生むことになります。

一方、千晴のもとには、大阪にいる来栖から電話が入ります。
引き継ぎの名目でしたが、内心では千晴のことが心配だった来栖。
千晴もまた、そんなツンデレな魔王様の気持ちがうれしく、健一の一件が順調に進んでいることを得意げに報告します。
すると、そんな楽しそうな千晴の様子を離れた場所から天間が見ていました。

来栖（成田 凌）の商社マン時代の同期・児玉 雄一郎（小関 裕太）が、来栖を訪ねて『シェパードキャリア』へやって来て、来栖をスカウトします。
エネルギー開発事業を専門に扱う商社に転職した児玉は、「俺と一緒にアフリカで働こう」と。
会社は来栖のハンディキャップにも理解を示していると言います。
一度はあきらめた夢…来栖の心は揺れ動きます。

そんな中、３年前に来栖が担当した滝藤 航平（駿河 太郎）が、37歳にして、学生時代からの夢である広告プランナーの職に就きたいと相談に来ます。
前回、広告代理店への転職がかなわなかった滝藤は、広告宣伝に力を入れる大手食品会社に入社するも、現在は販促イベントの雑務を担当していると言います。
「可能性がゼロではないなら、夢を追い続ければいい」
３年前の来栖の言葉が忘れられず、再び夢に挑戦しようとする滝藤に、来栖は思わず自分の姿を重ねてしまいます。

一方の千晴（小芝 風花）は、いつもなら迷わず突っぱねるであろう、難易度の高い滝藤の転職を後押しした来栖に、違和感を覚えていました。
するとそこへ再び児玉がやって来て、千晴は事故にあう前の来栖が夢を追いかけ、笑顔で働いていた話を聞きます。
そして千晴は、児玉から来栖の説得を頼まれます。