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夏目 匠（菊池 風磨）は、自ら立ち上げた「夏目設計事務所」の社長であり、やり手の一級建築士です。
仕事の腕はもちろん、自他ともに認める超モテ男。
しかし、その左手薬指には結婚指輪が…。

ある日、大事な取引先の社長・二木谷 晧司（鶴見 辰吾）から、近々開かれるパーティーに、妻同伴でと言われ、匠は頭を抱えます。

実は、既婚者というのはウソで、二木谷の信頼を得るため、さらには、女性に言い寄られる煩わしさから解放されようと、フェイクの結婚指輪をしていたのです。
しかし、既婚者を装って一年、架空妻にそろそろ限界を感じていた匠でした。

匠（菊池 風磨）が提案した″ウソ婚”を八重（長濱 ねる）が受け入れたことで、２人は夫婦を演じることになりました。

子供の頃から八重に恋心を抱き20年。
匠は、一緒に暮らし始めた八重の気配を家の中に感じ、幸せをかみしめていました。

一方で、八重との関係を語るうえで欠かせない、もう一人の幼なじみ、少女漫画の王子様のようなキャラの吉田 健斗（黒羽 麻璃央）のことを思い出していました。

八重（長濱 ねる）とのウソ婚生活をスタートさせた匠（菊池 風磨）は、改めて約半年にわたる計画を八重に説明します。

ウソ婚計画の発端となった、二木谷（鶴見 辰吾）の誕生日パーティーで、匠の妻として恥ずかしくないマナーを身につけるよう指示します。
そして、かつて渡しそびれた結婚指輪を渡します。

迎えたパーティー当日。

八重は匠が用意したドレスで、パーティー会場へ。
慣れない社交場を前に緊張はピークになりますが、匠のエスコートで、ウソの夫婦として一歩を踏み出します。

匠（菊池 風磨）と八重（長濱 ねる）の結婚が偽装ではないかと怪しんだ進藤（渡辺 翔太）が、結婚祝いと称して、マンションに遊びに来ることになりました。

設定では一年前に結婚したことになっている２人ですが、実際に八重が匠と暮らし始めたのはつい最近。
当然、部屋に八重が暮らしていた形跡も、夫婦２人の生活感もあるはずがなく…。
勘が鋭く、かつてレミ（トリンドル玲奈）と何度も部屋に来たことがある進藤なら、ウソに気づくのではないか…と。
警戒した匠は、八重が以前から住んでいたように見せかけるため、部屋に八重の私物を置くことにしますが、案の定、ハイセンスな匠の部屋とは相性は最悪です。

その翌日、２人の愛の巣へ向かう進藤は、匠と出会った頃のことを思い出していました。
輝かしい経歴と類い希な才能を持ち、選ばれし者だけが身を置く華やかな世界で、周囲の派手な人間たちとはどこか違う雰囲気を醸し出す匠に不思議と惹かれた進藤は、いつしか匠が一番近くにいる存在になりたいと願うようになりました。
そして、その願い通り、２人は仕事を通して唯一無二のパートナーになります。

ところがある晩、匠に呼び出された進藤が意気揚々と待ち合わせ場所へ向かうと、待っていた匠はいつもと明らかに様子が違い、左手薬指にはキラリと光る指輪が…。
その瞬間、進藤の中で何かが崩れ落ち、一年後、現れた匠の妻・八重を見た新藤は…。

進藤（渡辺 翔太）が、匠（菊池 風磨）と八重（長濱 ねる）のマンションにやって来ました。
八重は、匠が作り上げた新婚生活にまつわる嘘の情報を頭にたたき込むみますが、いざ進藤を前にすると動揺を隠せません。
八重のフォローに徹するはずだった匠もまた落ち着かず、いつになくじょう舌になってしまいます。

そんな状況を察してか、進藤の携帯にはレミ（トリンドル玲奈）から、居ても立ってもいられない様子で電話がかかってきます。

進藤は、八重と匠の結婚が本当かどうか確かめに来たはずが、純粋で飾らない八重と接するうち、気づけば心を許していました。
それでも、匠との関係を壊さないよう何とか普段どおり振る舞おうとする進藤は、２人の結婚の核心ともいえる馴れ初めを尋ねます。
すると、答えに困る八重に対し、匠が衝撃の発言をします。
その言葉は、進藤はもちろん、八重をも驚かせるものでした。

その直後、匠は急なトラブルで呼び出され、部屋には八重と進藤が取り残されてしまいます。

匠（菊池 風磨）の元上司で、ドバイを拠点に活躍する実業家・新田 淳（橋本 淳）が帰国しました。
レミ（トリンドル玲奈）から、匠と八重（長濱 ねる）が新婚旅行でドバイを訪れていたことを聞き、現地で撮影した写真を見せられた淳は、ある理由からその写真がフェイクだと気づきます。
当然、２人の新婚旅行がウソだと知ったレミは怒り心頭です。
淳は、万が一ウソがバレたときのことを考え、匠がニ木谷（鶴見 辰吾）の娘であるレミをウソに巻き込むわけにはいかなかったのだと諭しますが、レミは納得がいきません。

翌日、淳は真意を探るべく、匠のオフィスを電撃訪問。
さらに、嫌がる匠を押し切って夏目家にまで押しかけ、口実を作って匠を家から追い出すと、「匠から全部聞いた…」と、さも２人の結婚がウソであることを知っているかのような口ぶりで、八重に揺さぶりをかけます。

それからしばらくして、匠が設計したグランピングリゾートのプレオープンが行われ、匠と八重は夫婦でコテージに宿泊することに。
匠の会社のスタッフと初めて顔を合わせた八重は、社長夫人として扱われることに恐縮しっぱなし。
そこへ、プロジェクトの主催者である二木谷ホールディングスの代表として、レミが現れます。

匠（菊池 風磨）が設計したグランピングリゾートを訪れた八重（長濱 ねる）は、この日泊まる豪華なコテージに感激するも、初めて夫婦同室で一夜を過ごすとあって、どこかぎこちない。
その緊張は匠にも伝わり、八重の心中を察した匠は平静を装いながらも、なかなか縮まらない八重との距離にやきもきします。

その頃レミ（トリンドル玲奈）は、匠や、匠の部下たちが八重をチヤホヤすることに苛立ちを募らせていました。
かつて親の七光と言われ、幾度となく悔しい思いをしてきたレミは、唯一、自分を色眼鏡で見ない匠に特別な思いを抱き、匠が誰と付き合おうと、公私ともに最良パートナーは自分だと自負してきました。
そんな匠が、自分とは真逆のタイプの八重を妻に選び、今まで見たことのない優しいまなざしを向けていることに我慢ができなくなったレミは…。

その晩、コテージに戻った匠は、グランピングリゾート最大のこだわりともいえる、ある仕掛けを八重に見せます。
さらに、半年後のクリスマスイブにもう一度来たいと八重を誘いますが、その頃にはウソ婚の契約期間が終わり、２人は元の幼なじみに戻っているはず。

そのことに気付いた八重が戸惑っている時、「部屋のシャワーが出なくて困っている」とレミから電話がかかってきて、匠はレミの部屋に向かいます。

「初恋だから、八重は」
その言葉がウソではないと知った八重（長濱 ねる）は、それまでただの幼なじみだった匠（菊池 風磨）を妙に意識してしまい、些細な仕草にもドキドキするようになります。
しかし、その胸の高鳴りの正体には気づかないフリをして、これはウソ婚だと自分に言い聞かせます。

一方の匠は、グランピングで八重とクリスマスイブの約束をしたことを思い返していました。
それはすなわち、ウソ婚の契約が終わっても八重と一緒にいられるということ。
匠は喜びをかみしめながら、今手掛けている結婚式場で八重と式を挙げる日に思いをはせますが、一方で、肝心の八重がいまだに自分を雇用主と見ている気配を感じていました。

そんな中、２人は夫婦として二木谷（鶴見 辰吾）から食事に誘われます。
匠が設計したその店で、二木谷はトークショーのように愛妻との思い出を語りつくします。
その姿を見た八重は、二木谷が仕事相手に妻帯者を選ぶ気持ちが分かった気がすると話し、匠をハッとさせます。

会食後、店の外で二木谷とともに八重を待っていた匠に、ある人物が声をかけます。
それは、10年前に八重を匠に託してシンガポールに旅立った健人（黒羽 麻璃央）でした。

匠が驚きのあまり言葉を失っていると、そこへ八重が戻ってきて、健人は大切な幼なじみ２人が結婚したことを知ります。

10年ぶりに再会した健斗（黒羽 麻璃央）は大手企業で出世街道まっしぐら、性格も相変わらず超がつくほどスマートで、匠（菊池 風磨）は八重（長濱 ねる）との結婚がウソだと知られたら、健斗は今度こそ八重を手放さないだろうと焦りを感じます。
さらに、八重の初恋の相手が健斗だと思っている匠は、八重の恋心も再燃するのではないかと不安を募らせていました。

そんな中、匠が手がけたグランピングリゾートの記事がネット上に掲載され、結婚指輪をつけた匠と八重の仲むつまじい写真が話題になります。
匠は、この記事がきっかけで家族や知人に結婚したことが知れ渡れば、八重とのウソ婚を真実にできるのではないかともくろみます。
しかし、そんな思いとは裏腹に、記事はある女性の目にとまります。

時を同じくして、匠は健斗を紹介してほしいというレミ（トリンドル玲奈）のお願いを聞き入れ、ホームパーティーを企画します。
匠は豪華な手料理で来客をもてなし、八重との幸せを健斗に見せつけるつもりでしたが、あいにく急な仕事で不参加に。
レミや進藤（渡辺 翔太）が八重を介して健斗と仲良くなる中、夜、匠がやっとの思いで家に帰ると、玄関には八重と健斗の姿がありました。
しかも、八重の手首には、匠がずっと渡したかった八角形のブレスレットが光っていました。

地元の同級生で、匠（菊池 風磨）の元カノでもある紗智（中村 ゆりか）を自宅に招き入れた八重（長濱 ねる）は、紗智が別れたあとも匠を一途に思い続け、努力を重ねてきたことを知り、仕事も恋も中途半端だった自分が匠の隣にいることに罪悪感を抱きます。

さらに、ウソ妻として匠と過ごした幸せな日々が紗智を悲しませ、傷つけていると思った八重は、自らの気持ちを封印し、紗智にあることを告げます。
さらに、匠とは当初の約束通り、半年の期間限定の関係に戻ることを決めていました。

そんな八重の異変にいち早く気づいた匠は、家に誰かが来たことを察知し、八重が急によそよそしくなったことと何か関係があるとにらみます。
しかし、来訪者の正体を明かそうとしない八重をそれ以上追求することはできず、楽しみにしていたクリスマスイブの約束まで断られた匠は、進藤（渡辺 翔太）やレミ（トリンドル玲奈）が心配するほど、激しく落ち込みます。

その矢先、健斗（黒羽 麻璃央）と会った匠は、健斗がある思惑を抱いて日本に戻ってきたことを知ります。
さらに、お人好しで自己犠牲の塊のような八重が、自分の幸せそっちのけで誰かに一生を捧げることをずっと危惧していたと話す健斗。
だからこそ、八重が自分の意思で匠を選び、二人が結婚してよかったと笑顔を見せますが、健斗のその言葉は、ウソ婚という形で八重を妻にした匠に重くのしかかります。

「俺はお前と結婚したい」
匠（菊池 風磨）は、隠し続けてきた本心を打ち明け、ウソ婚を本当にするべく八重（長濱ねる）思いを伝えました。
『一緒にいて楽しかったのは自分だけではないはず』と、意を決しての告白でしたが、八重の答えはまさかのNOでした。
しかし、その答えが八重の本心だと信じたくない匠は、八重がひた隠しにするウソの正体を確かめようと、数日前、おそらく八重と鉢合わせしたであろう元カノ、紗智（中村 ゆりか）に電話をかけます。

待ちに待った匠からの電話に感情がこみ上げる紗智でしたが、電話の向こうの匠は今も変わらず八重を思い続けていて、紗智は、匠が自分に振り向いてくれることはもう二度とないのだと打ちのめされます。
そして、やり場のない気持ちを抱えたまま、匠がいちばん聞きたくなかった言葉を告げます。

紗智の一言によって、いちばん大切な人に一生ウソをつかせ、この先訪れるはずの幸せをも奪うところだったと気づいた匠は、自分の独りよがりなウソに付き合わせたことを八重に謝ります。
そして、涙があふれ、うまく言葉が出ない八重の薬指からそっと指輪を抜きました。

匠（菊池 風磨）のマンションを出た八重（長濱 ねる）は、匠との約束を破り、自分たちの結婚がウソだと紗智（中村 ゆりか）に教えたことを後悔していました。
それこそが、匠に別れを切り出された理由だと思い込み、自分を責める八重に、健人（黒羽 麻璃央）はあることを告げます。

一方で、行方が分からなかった匠と会った健人は、八重の本当の気持ちに気づくどころか、いまだに「八重の王子さまはお前だ」と言い張る匠に、「俺はずっとたっくんになりたかった」と本音をつい言ってしまいます。
そして、どこか匠を挑発するように、八重を赴任先のアフリカへ連れて行くと宣言します。
それはつまり、八重が健人と結婚するということ。
そのうえ進藤（渡辺 翔太）に計らいで、２人は匠が設計した結婚式場で２日後に挙式するといいます。

迎えた結婚式当日、匠は、八重が幼い頃に描いた王子様とお姫様の絵を見つめていました。