みかんは年間を通して手に入りますが、特に冬になるとその美味しさが際立ちます。
手頃な価格のためつい多く買ってしまうこともありますが、保管に気をつけないと、カビが生えたり味が落ちたりすることも少なくありません。
そうした失敗を避けるために、みかんの適切な保管方法や選び方、さらには各品種の独自の特徴を解説します。
高品質なみかんの選び方
果皮の色の鮮やかさ
みかんの果皮の色が鮮やかな理由には、生物学的な背景が存在します。
みかんは鮮やかな色をしていることで動物の目を引き、食べられることで種を広く拡散させる役割があります。
このため、色の鮮やかなみかんはその発展の過程で動物にとって目立ちやすくなるよう進化してきました。
ですから、色が鮮やかなみかんを選ぶことは質の高い指標になります。
果実の重量
みかんの重さは、そのジューシーさを示す指標となります。
これはスイカを選ぶ時にも言えることで、重さは果汁の量や糖分の多さを示します。
よって、重みを感じるみかんほど美味しいと考えられます。
茎の細さ
茎が細いみかんは、茎を通して得られる栄養が濃縮されているとされ、それにより味わい深い果実へと成長すると言われています。
反対に、茎が太い場合は水分が多く含まれていることが多く、結果として味が薄れる可能性があります。
選ぶ際には茎の細いものを選ぶと良いでしょう。
手触りでの選び方
みかんの質は触ってみることでかなりの部分が分かります。
通常、新鮮で品質のいいみかんは、皮が薄くピンと張っています。
手に取った時、皮と果肉がしっかり密着している感じがするものがお勧めです。
逆に、皮が柔らかくてハリがないものは、甘みが足りない可能性がありますので、購入や食べる際にはこの点にも注意しましょう。
皮の細かい質感
みかんの皮の細かさも美味しさのバロメーターになります。
皮の表面にある小さな粒々、つまり油胞の密度が高いほど、みかんは一般に美味しいと評価されます。
油胞が豊富なみかんは、栄養が多く含まれる場所で育った可能性があり、それによって糖度が高く、風味豊かであると言えます。
季節によって変わるみかんの品種
日本では、みかんの栽培期間に応じてさまざまな品種が市場に出回っています。
春から夏にかけては「早生みかん」が中心で、これらは温室で育成されます。
一方、秋から冬にかけては「冬みかん」が多く見られ、これらは自然の環境下で育つのが特徴です。
「露地栽培」とは、直射日光のもと自然環境で育てられる農作物の栽培方法を指します。
しかし、春や夏は露地栽培には適していないため、この時期はハウス栽培が一般的に行われます。
冬のみかんの理想的な保存方法
冬季においてみかんを新鮮な状態で保つためには、5~15℃の温度が推奨されます。
みかんが旬のこの季節は、通常の室温での保管が最適です。
室温での保管方法
- みかんを一つずつ新聞紙やキッチンペーパーで包みます。
- みかんを茎の部分を下にして、日光が直接当たらない涼しくて暗い場所に保管します。
※茎を下にするのは、果実が自重で潰れるのを防ぐためです。
みかんは乾燥やカビに敏感なため、冬は特に暖房の風が直接当たらないよう注意し、空気が循環する場所での保存が推奨されます。
例えば、空気の流れが悪いキッチンのシンク下は避け、カビを防ぐようにしましょう。
推奨する保存期間
一般的に、保存期間は2週間から1ヶ月が適切とされています。
温暖な地域でのみかん保存法は冷蔵が望ましい
冬であっても気温が比較的高い地域では、室温でみかんを保管すると、理想の保存温度を超えることがあります。
このような場合は、冷蔵庫を利用してみかんの鮮度を長持ちさせることが可能です。
冷蔵庫での保存方法
- みかんを一つずつ新聞紙やキッチンペーパーで包みます。
- 包んだみかんをラップで追加で包むか、またはビニール袋やポリ袋に入れます。
- みかんが潰れないように茎が下を向くようにして、冷蔵庫の野菜室に入れて保管します。
冷蔵庫内は乾燥しやすく、また温度がみかんにとって低すぎることがありますが、暖かい気候ではこれが適切な方法になります。
この方法は特定の条件下でのみ推奨される保管法です。
推奨される保存期間
冷蔵での保存は最長で約1ヶ月が目安です。
余ったみかんを冷凍保存できる
みかんが余ってしまった場合、冷凍保存が便利な方法となります。
適切に処理して冷凍することで、みかんの風味を最大3ヶ月保つことが可能です。
また、味の劣化があまり気にならないならば、2年間の長期保存も可能です。
冷凍する手順
- みかんを皮つきのままよく洗い、軽く濡れた状態で、金属製のトレイに並べて速やかに冷凍します。
- 表面に霜がついたら確認し、再度水を振りかけてから再び冷凍します。
- みかんがしっかりと凍ったことを確認したら、空気との接触を避けるためジップロックに入れ、冷凍庫に戻します。
表面に水を加え再凍結する工程は、みかんが乾燥するのを防ぎ、より長く新鮮な状態を保持するために役立ちます。
推奨される保存期間
冷凍したみかんは最大で約3ヶ月間の保存が推奨されます。
冷凍みかんの楽しみ方を広げよう
冷凍みかんはそのまま食べるだけではなく、少しのアレンジを加えることで、さらに美味しく楽しむことができます。
冷凍みかんを取り出した後、熱湯で短時間温めると、皮がやわらかくなって剥きやすくなります。
この方法で皮を柔らかくすると、中の果肉は冷たいままで、独特のシャリシャリ感を味わうことができます。
みかんの味を長持ちさせる保存方法! まとめ
みかんを長く新鮮に保つには、普通は常温保存が最適です。
ですが、もっと長期間保存したい場合は、冷蔵や冷凍が良い方法です。
ここでご紹介した手順に従えば、みかんを新鮮な状態で長く楽しむことが可能です。
また、正しい選び方を学ぶことで、より美味しいみかんを見分けることができます。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。