『香り』と『薫り』と『馨り』の違いとは?意味と使い分けをご紹介!

言葉の違い

「香り」と「薫り」は似たようなニュアンスを持ち、花や化粧品、食品が発する心地よい匂いを示す言葉です。
これらは特に、心を慰める香りに言及する際に用いられます。

「香り」はもともと、「おいしいキビが生み出す甘い匂い」を意味していたとされています。

一方、「薫り」は「ランを焚き、その香りで体を包み、邪悪な霊を追い払う」という由来があります。

「馨り」は、心地良い香りが発散される状況や、その匂いが辺りに広がっていく様子を表します。
さらに、人の良い影響力や評判が広く伝わる意味も含んでいます。

 

「香り」の多様な響き

「香り」と「薫り」は、似た意味を持つ言葉として捉えられがちです。

これらはしばしば、辞書で同じ項目に解説されているほどです。
ここでは、これらの語がもつ代表的な意味をご紹介します。

① これらの言葉は、心地よい香りやアロマを表します。
たとえば、「桜の香りが空気に溶け込む」のように使います。

② 美や魅力を象徴する言葉としても活用されます。

③ 芸術的または繊細な感性を表すのにも使われます。
「詩的な香りが漂う」などの表現がそれにあたります。

類語には「香」という言葉があり、「芳香」「香気」など関連する語彙も存在します。
これらはみな「良い香り」を共通の意味として持っています。

例えば、「ローズの香り」や「紅茶の心地よい香り」といった使い方があります。
「香」は特に、「梅の香りが漂う」や「海の香りが感じられる」といったフレーズで用いられます。

文字「香」の成り立ちは「黍」(きび)と「甘い」に由来し、本来は「美味しいきび」を意味していました。
これが時間を経て、「きびから立ち上る甘い香り」を指すようになったのです。

 

「薫」の意味とその使用例

「薫」という文字が持つ意味は、下記のように説明されます。

① 「薫」という漢字は、「かおりぐさ」や「香草」として解釈され、主に蘭のような香り高い植物を指します。
古代では、これら植物の根を焚いて香りを出し、悪霊から身を守るためにその葉を身に纏う習慣がありました。

② 「薫る」や「香る」といった動詞は、心地よい香りが立ち込める状態を表します。
例えば、「余薫」とは「残り香」や「余韻」を意味し、さらに広義では「過去の成果や恩恵が後世にも続くこと」を象徴します。
このような用法は、特に「先人の偉業に対する敬意」を表現する際に用いられます。

③ また、「薫」は「燃える」「煙る」という行為を連想させ、何かを焚いて香りを放つことを示します。

④ この字は徳を通じて人々に良い影響を与えることを意味し、「薫化」という語では「他人への良い影響や啓発」を表します。

⑤ さらに、「いさお」や「てがら」など、個人の偉業や成果と結びつけられることもあり、これらは人物の功績や業績に関連する用語として扱われます。

⑥「穏やかな雰囲気」を伝えるニュアンスがあります。
「薫」という文字は、「草」と「熏(熏す、くゆす)」の組み合わせで構成されており、草を煙で燻し、その香りを拡散させる様子を表現しています。
また、この字は香りを放つ植物に言及する際にも用いられます。

 

「馨り」の理解と意味

「馨り」についての説明は以下のようになります。

「馨る(かおる)」は、心地よい香りが広がる状態や、その香りが遠くまで行き渡ることを意味しています。
この言葉は、良い影響力や名声が広く伝わることとも繋がりがあります。

「かおり」という言葉は、ただ快適な匂いを指すだけではなく、ポジティブな印象や評価も表します。

漢字「馨」は、「香」の部首と、楽器を示す象形の組み合わせで構成されています。
「磬(けい)」の部分は、音が遠くまで届く楽器を意味し、それにより「馨(かおる)」は香りが広い範囲にわたって感じられる状況を描写しています。

 

まとめ

◇「香り」と「薫り」の使用例

① アロマテラピー製品や植物の香りを語る際の用例

例: 「濃厚な薫りのボディソープ」「ハーブティーの爽やかな香り」「バラ園に漂う甘い香り」「ジャスミンの強烈な香り」

② 文化的な趣や特定の雰囲気を表す時

例: 「文化の香りを感じさせる作品」

 

◇「馨り」を使った表現

例: 「伝統や歴史の馨りを次世代に伝える」「森林から漂う濃密な馨りが空間を満たす」

「ある特定の花の鮮烈な馨り」

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