鯉のぼりの部品の役割と意味「吹き流し」「ひごい」「まごい」などの種類と色の解釈

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大空を悠々と泳ぐ鯉のぼりは、一匹だけではありません。
「まごい」や「ひごい」など、異なる種類があり、風にたなびく「吹き流し」も彩りを添えています。

これらの鯉のぼりには、それぞれどんな意味があるのでしょうか?

この記事では、鯉のぼりの種類や色が持つ象徴的な意味、そして各部位の名前について詳しく解説します。

 

鯉のぼりの構成と色の意味

一般的に、鯉のぼりは「まごい」、「ひごい」、「青い鯉」の順で配置され、基本的に3つの部分で構成されます。
その上に「吹き流し」が取り付けられるのが通常です。

 

吹き流しの役割と色の意味

吹き流しには魔除けの効果があり、その色は青(または緑)、赤、黄、白、黒(あるいは紫)の五色で構成されています。
これは、古代中国の五行思想に基づき、木、火、土、金、水をそれぞれ象徴しています。

五色が揃うことで、強力な魔除けとなり、特に幼い子どもを守る役割を果たします。
また、吹き流しは、神様に新たに生まれた男の子の存在を知らせる役割も担っています。

 

「ひごい」の役割と色の意味

「ひごい」は赤色の鯉で、「まごい」の下に位置します。
赤色は生命力や愛情を象徴し、ひごいは「母親」を表すとされています。

 

「まごい」の役割と色の意味

「まごい」は黒い鯉で、一番上に配置されます。
この鯉は「父親」を象徴し、黒色は家族の支柱を表すとされています。

 

「青い鯉」の役割と色の意味

「青い鯉」は一番下に配置され、子どもを表します。
青色は若さや成長を象徴しており、これによって鯉のぼりは一家の構成員全体を表しています。
家族に子どもが多い場合、緑、紫、ピンクなどの他の色の鯉が追加されることもあります。

 

鯉のぼりの構成と部品の名称

鯉のぼりは、いくつかの主要な部品から構成されています。
それぞれの役割と意味についてご紹介します。

 

矢車の役割と由来

矢車は、鯉のぼりの上部に設置される風車のような形の部品です。
風を受けるとクルクルと回転し、音を立てるのが特徴です。
このデザインは、武士が使う矢の形状からヒントを得たもので、魔除けの効果があるとされています。

回転球の役割と歴史

回転球は、鯉のぼりの最上部に位置する装飾で、光を反射する球体です。
これは、家に男の子が生まれたことを示すサインとしての役割を果たします。
また、天からも容易に見つけられるようにするための意図もあります。

回転球の歴史を振り返ると、江戸時代の後期には「駕籠玉」と呼ばれる竹製の球体が流行していました。
その後、金箔などで装飾され、現在のような形になったと言われています。

 

鯉のぼりの種類とサイズ

鯉のぼりには様々なサイズがあり、家庭用のものは以下のように分類されます。

・ 大型サイズ:「吹き流し」と「まごい」の長さが約5メートル。

・ 中型サイズ:「吹き流し」と「まごい」が約2メートル。

・ 小型サイズ:「吹き流し」と「まごい」が10センチメートルから1メートル。

ただし、サイズの定義はメーカーや店舗によって異なるため、購入の際には正確な寸法を確認することが重要です。
続いて、鯉のぼりの設置タイプと価格帯について詳しく見ていきます。

 

ベランダ用の金具タイプ

これは、ベランダの手すりなどに金具を取り付けて鯉のぼりを飾るタイプです。
主に中型や小型の鯉のぼりに使用され、価格帯は1万円から10万円、平均価格は約3万円です。

室内装飾用タイプ

室内で飾るためのスタンドタイプ、窓用吸盤タイプ、天井から吊るすタイプ、壁掛けタイプなどがあります。
室内装飾用では、小型の鯉のぼりが主に使われます。

価格帯は3,000円から10万円、一般的には1万円から3万円程度です。

郊外の家では広い庭に大型の鯉のぼりを飾る一方、都市部では小型の鯉のぼりが人気です。
どのサイズでも、鯉のぼりには子どもの健やかな成長と成功を願う気持ちが込められています。

 

地面にポールを設置するタイプ

庭や駐車場にポールを設置して鯉のぼりを飾るタイプです。
このタイプは設置に手間と費用がかかりますが、大型の鯉のぼりを飾ることができます。

価格帯は20,000円から100万円、平均価格は約10万円です。

 

庭先やベランダ用スタンドタイプ

これは、庭やベランダにスタンドを設置して鯉のぼりを飾るタイプです。
重り付きや折りたたみ式など、スタンドにもいくつかの種類があります。

中型の鯉のぼりに適しており、価格帯は2万円から20万円、平均的には約5万円です。

 

鯉のぼりの起源と意味

鯉のぼりは、男の子の誕生を祝い、彼の健やかな成長と成功を祈るために鯉の形をした旗として作られました。
「のぼり」とは、長い棒に取り付けられた細長い旗を指します。

平安時代には、戦場で自軍と敵軍を見分けるためにのぼりが使われており、家紋を描いたり、軍の象徴として用いられていました。
現在では、大相撲や歌舞伎、地元の祭り、選挙活動などで、力士や俳優の名前を示すためにも使われます。